「肩胛骨は翼のなごり」感想

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肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)

肩胛骨は翼のなごり (創元推理文庫)

帯で宮崎駿氏推薦、カーネギー賞受賞の児童書。まずは、邦題が素晴らしい(原題「Skellig」)。

普通の少年、博学で変わり者の少女、ボーイミーツガール、秘密の共有、秘密の場所。青春(思春期)物の王道に、死を漂わせながら生を描いています。

淡々とした筆致と描写が、奇妙で不可思議な物語に(作中での)リアリティを与えていて、素晴らしいファンタジー(幻想小説)になっています。傑作。

【金原瑞人 ふしぎ文学マスターが薦める100冊 https://goo.gl/6TMs7H 】読了34作目

「愚者のエンドロール」感想

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愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

古典部第二作を再読。初読時はラノベの認識で読みました。今回は、あとがきで言及されている「毒入りチョコレート事件」も
既読ですし、ミステリーに対する意識を強く持って読んだ分、さらに楽しめました。ミステリー読みなら分かる小ネタがあるのも嬉しい。

各推理のプロセス、そして、推理の結果から浮かび上がってくる人間模様。読み終わった後に、それぞれの人間関係や心情に思いをめぐらすと、ほんのりと苦さが染み出てきます。

ちょっと悪意のあるような苦さがクセになってしまうんですよねえ。嫌味はあれど、好きな苦さです。

「”文学少女”と飢え渇く幽霊」感想

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”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

事前に「嵐が丘」を読んでおいて良かった。読んでいなかったら、このドロドロ展開についていけなかったかも(愛憎劇な小説はあまり読まないので)。ある程度、筋が読めてしまうという弊害もあるけれど、作者のアレンジや工夫が分かる楽しみもあります。

ミステリータッチになっていて、各登場人物の事件への絡み方が読みどころ。

遠子先輩が作中で言及する作品は読みたくなります。読んだ本が出てくると嬉しくなったり。また読みたい本が増えてしまう……

「厭魅の如き憑くもの」感想

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厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)

厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)

刀城言耶シリーズ第一作。ホラー要素もミステリ要素もてんこ盛りでボリューム満点。

少し読むのに時間がかかったけれども、ホラーの世界観(民俗学的な部分)がよく作り込まれていて、それだけでも面白い。

そして、ホラー寄りなのかなと思ったらミステリ的な趣向も凝っているという、その意外性にも満足な一品でした。最後の解決シーンの過剰とも言えるようなミステリ要素が、実に楽しい。

すでに「山魔の如き嗤うもの」は読んでいますが、このシリーズはこれから順番に読んでいきたいですね。

【本格ミステリ・ディケイド 300】読了11作目 2006年作

「ヴィジュアル・ストーリー ポー怪奇幻想集 2 黒の恐怖」感想

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ヴィジュアル・ストーリー ポー怪奇幻想集 2: 黒の恐怖

ヴィジュアル・ストーリー ポー怪奇幻想集 2: 黒の恐怖

  • 作者: エドガー・アランポー,Edgar Allan Poe,David Garcia For´es,金原瑞人
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2014/09/29
  • メディア: 単行本
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「ひょこ蛙」は童話・寓話的な分かりやすいストーリーで、グイグイと読ませる復讐譚。イラストもあるせいか、エンタメとして秀逸な作と感じました。

詩「鴉(The Raven)」は、怖くもあり、美しくもあり、哀しくもあり。

「黒猫」は再読。不条理と主人公の理屈がないまぜになって、何とも言えない恐怖感。

3編とも好みで大満足。古典ホラーが平易な訳で読めるのは本当にありがたい。

「Yの悲劇」感想

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Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)

Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2)

  • 作者: エラリー・クイーン,越前 敏弥
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/09/25
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約20年ぶりの再読。犯人・凶器の理由などをしっかりと覚えていたので、伏線や手がかりを確認し、探偵の苦悩を感じながらの読書となりました。

登場人物や一連の犯行に「歪み」があります。その歪み自体が推理の糸口となって、本格の論理によって解き明かされる。本来なら秩序が回復し……となるところ、探偵は苦悩します。ロジックのみならず、探偵の言動も読みどころです。

今の時代から見れば、90年近く前に書かれた本書のストーリーや探偵の論理・言動も歪んでいると言えます。今と昔の読者では受け止め方が違うかもしれませんが、それも含めて名作であることに間違いないと思います。

【喜国雅彦・国樹由香「本格力 本棚探偵のミステリ・ブックガイド」】読了11作目
【有栖が語るミステリ100】読了15作目

「学校ともだち」感想

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学校ともだち (河出文庫―文芸コレクション)

学校ともだち (河出文庫―文芸コレクション)

終わり行く世界の中で綴られる学級日誌。少年たちの学校内の日常に、それとなく示される外側の不穏な終末世界。一年を通じて、少年たちの緩やかな成長が描かれています。

出版当時(初出は1992年)、酸性雨や紫外線(オゾンホール問題)、エネルギー問題などが世間で取り上げられていたこともあり、そういった背景もあっての物語でしょう。――そう言えば、当時、酸性雨問題はかなり深刻に時間を割いて報道されていたような記憶があるけれど、いつのまにか関心が薄れてしまった。

特に大きなストーリー展開はありませんが、なぜか先へ先へと一気に読み進めてしまいました。