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「すきまのおともだちたち」感想

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すきまのおともだちたち (集英社文庫)

すきまのおともだちたち (集英社文庫)

一人の女性が、もう一つの不思議な異世界「すきま」で、はじめから一人ぼっちな9歳の女の子と交流をしていく物語。

お皿や風呂敷が言葉を喋り、ちょっと不条理な(それでいて真理を突いてくる)会話のやり取りには、不思議の国のアリスが思い出されます。本作で迷い込むのは大人の女性なので、ポジションは反転しているのですが。

主人公の女性は年を取っても、「すきま」の女の子は変わりません。女性は少女のままであることを許されず成長しなければならない(と男性社会から強要されている)……と云うベタな少女論で読み解きたくなるも、本作では「時間」や「思い出」の方が焦点でしょうか。

「私たちをほんとうにしばるのは、苦痛や災難や戸棚ではないのよ。幸福な思い出なの。」そんな、お皿の言葉が胸に沁みます。

こみねゆらさんの絵も雰囲気と合っていて、素晴らしい作品でした。

【金原瑞人「ふしぎ文学マスターが薦める100冊」https://goo.gl/6TMs7H 】読了23作目