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「新装版 密閉教室」感想

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新装版 密閉教室 (講談社文庫)

新装版 密閉教室 (講談社文庫)

法月綸太郎のデビュー作。著者の長編は初読。

悩める探偵を描くのが著者の特徴という前提知識はあったので、なるほど確かにと思いながら読み進めました。

探偵役の高校生が不安定なので、最後まで世界がしっくりしません。

トリックや登場人物、会話にリアリティが無いという批判はもっとも。ただ、すべては探偵(というか推理小説そのもの)の苦悩を描くためと捉えると、評価軸が変わっていく。

自意識過剰系のキャラクターは、逆に現在では「そういうもの」と割り切れて読めてしまう。

私自身、ラノベに触れてから「感情移入しない」で読む楽しみ方を覚えたような気もしていて、時折、読者は共感や感情移入をするのが当然という既存の考え方を疑ったりもします(あまり、深くは考えていない)。その辺り、本書のノーカット版が「講談社BOX」から出ているのは、むべなるかなと思ったり。

読み進める手は止まらなかったので面白いはずなんだけど、読後感がもにょもにょしていて何とも言えない作品でした。この読後感は、もしかして作者の狙い通りなのかもしれませんが……。

【きっかけ:探偵小説研究会「本格ミステリ・クロニクル 300」】