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「小説乃湯 お風呂小説アンソロジー」感想

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小説乃湯  お風呂小説アンソロジー (角川文庫)

小説乃湯 お風呂小説アンソロジー (角川文庫)

有栖川有栖選に長野まゆみが入っていて、思わず手にしたアンソロジー。

長野まゆみ読者の多くは女性(私は数少ない男性読者)なので、男性作家が選んだということがフックとなったのだ。幻想小説の書き手や批評家が編んだのなら、珍しくはないのだけど。

海野十三「電気風呂の怪死事件」は、漫画「バーナード嬢曰く。」で出てきて気になっていた。オチも含めて何だか乱歩っぽくてよかった。

乱歩っぽいと言えば、谷崎潤一郎「柳湯の事件」。ヌラヌラとした触感が伝わってくる幻想怪奇な良作。

谷崎は初読。探偵小説の先駆者で、初期には怪奇・幻想色の強い短編を多く書いていたなんて知らなかった。自分の「国語」嫌いは相当に尾を引いているので、いわゆる「文豪」を忌避し続けてしまうのを何とかしたい。

清水義範のパスティーシュは久しぶりに読んだ。

発表順の並びながら、最後に北村薫→長野まゆみ→原田マハと続いたのは絶妙。原田マハは初読の作家だったけど、読めてよかった。読書趣味を止めていたここ10年ぐらいの作家を知らないので。作風が三者三様で、アンソロジーならでは。