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「ムーミン谷の仲間たち」感想

ムーミン谷の仲間たち (新装版) (講談社青い鳥文庫)

ムーミン谷の仲間たち (新装版) (講談社青い鳥文庫)

雑誌「MOE 2015年1月号」で羽海野チカさんが紹介していた本。

9つの作品が収められている短編集。

特に「目に見えない子」というニンニの話には泣いてしまいました。「泣ける」という言葉を褒め言葉として安易に使いたくないのですが、まあ本当だったから仕方がない。

皮肉屋のおばさんにいじめられて姿が「消えてしまった」女の子。それがムーミンたちと交流することによって、足が見えるようになり、やがて……。ムーミン谷でいちばん自由で自分を確立しているミィが、大きな役割を果たします。

他にも、羽海野さんが紹介していた「この世のおわりにおびえるフィリフヨンカ」、「しずかなのが好きなヘムレンさん」、「ニョロニョロのひみつ」などなど、どれも印象深い話ばかりです。

どの短編も「自由」「本当の自分」への希求がテーマになっています。子供には子供なりの、大人には大人なりの自由・自分らしさを求める様が描かれていて、そこには一抹の淋しさがあり、でも決してユーモアを忘れることなく、生き生きとした楽しい物語の数々。

巻末に付されている高橋静男さんの解説、青い鳥文庫の新装版で新たに追加された石崎洋司さんのエッセイ、お二人の文章も素晴らしいので、ぜひ読んでみてください。表紙は単行本(ミィとニンニが一緒に遊んでいる)の方がいいなあ。

ムーミン谷の仲間たち (ムーミン童話全集 6)

ムーミン谷の仲間たち (ムーミン童話全集 6)