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「ムーミンパパの思い出」感想

ムーミンパパの思い出 (新装版) (講談社青い鳥文庫)

ムーミンパパの思い出 (新装版) (講談社青い鳥文庫)

これは素晴らしい作でした。

作者であるトーベ・ヤンソンの生い立ちや、書かれた時代背景を考えるともちろんのこと、何も知らずに現在の読者が読んでも胸を打つ作品だと思います。

ニョロニョロの話が印象的です。

ただ漂い続けているだけの存在、ニョロニョロ。いつも水平線に辿り着こうとしているが、決して辿り着くことはできない。そして、そんなニョロニョロに憧れさえしてしまうムーミンパパ。

子供時代のムーミンパパは、みなし子ホームの厳しい規律から自由を求めて外の世界へと旅立ちます。そこで、色々な生き方・考え方をする人(生き物)たちと出会い、自由の意味を考え、徐々に成長していく物語。

本書はムーミンパパの手記を子供たち(ムーミンやスニフ、スナフキンたち)に読み聞かせるという体裁を取っているため、途中に挟まれる子供たちとの会話が、物語に更に深みを与えています。

なんだかこう書くと、すごく重たい話に聞こえてしまいそうですが、決してそうではありません。おばけや竜の茶目っ気ぷり、ミムラ夫人の多産っぷり! そうそう私の大好きな「ミィ」も、この巻でやっと出てきました。ヤンソン自身による挿絵も楽しいです。そして、ムーミンママのハンドバッグ!(笑)

これから何度か読み返していくであろう、自分にとって思い入れのある作となりました。

そうそう、マンガ「ハチワンダイバー」の作者・柴田ヨクサルさんの「ヨクサル」って、本書に出てくるスナフキンの父親の名前からだったんですね! 変わったペンネームだなあって前から思っていました。

ハチワンのテレビドラマ面白かったなあ。原作も途中までは読んでました。いつか見直したい、読み直したい。