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「鍵 自選恐怖小説集」感想

鍵―自選短編集 (角川ホラー文庫)

鍵―自選短編集 (角川ホラー文庫)

筒井康隆作品は以前に、長編は「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」「時をかける少女」「ロートレック荘事件」、短編集は「バブリング創世記」を読んでいます。ただ、例のごとく内容を覚えていません……

本書は「角川ホラー文庫」ということで、ホラーのみの短編集。収録されている短編のどれもが味のある作品です。

表題作の「鍵」は、ホラーというよりはサスペンスといった感じのスリリングな作。短編の代表作として良く言及されるだけはあります。

自分の好みは、ちょっと切なくて不思議な感覚のある作品。人によっては、モヤモヤが残って納得できないと感じるかもしれませんが、私は想像の余地があったほうがより怖く感じます。

本書では、「佇む人」「都市盗掘団」「くさり」「母子像」「二度死んだ少年の記録」の5編が素晴らしい。特に「母子像」かなあ。間違いなくホラーなのに、悲しくて切ない。幻想的な雰囲気のあるホラーは大好きですね。

あと、「池猫」はたった2ページ足らずの掌編にも関わらずインパクトが凄い。

他には風刺が利いた作などが収録されていて、なかなか読み応えのある短編集となっています。「ホラー」というジャンルでまとめられているので、合う人が読めばどれも楽しめると思います。