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「きのこ文学名作選」感想

きのこ文学名作選

きのこ文学名作選

  • 作者: 飯沢耕太郎,萩原朔太郎,夢野久作,加賀乙彦,村田喜代子,八木重吉,泉鏡花,北杜夫,中井英夫,正岡子規,高樹のぶ子,宮澤賢治,南木佳士,長谷川龍生,いしいしんじ
  • 出版社/メーカー: 港の人
  • 発売日: 2010/11/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「胞子文学名作選」の次に読んだのが、この「きのこ文学名作選」です。出版はこちらの方が先。

加賀乙彦「くさびら譚」、村田喜代子「茸類」、高樹のぶ子「茸」といったところは、普段手にしないジャンルだけに面白く読めたのは嬉しい。「くさびら譚」は狂気を描きながらユーモラスでもあり、読後感も悪くない。ハッピーエンドな気がする。「茸類」を私はホラーとして楽しめたのだけど、そんな読み方は文学に対して失礼なのかな。

南木佳士「神かくし」は、常に死が漂っているような雰囲気が幻想的で好み。

泉鏡花の「茸の舞姫」も良かった。ああ、早く鏡花作品を読みこなせるだけの読書力を身につけたい。本作も、一部ネットの解説を参考にしたり、言葉の意味を調べたりつつの読書でした。

中井英夫「あるふぁべてぃく」は、遺産をめぐる親族の駆け引きが見所のショートミステリー。最期にうまくオチが決まります。中井英夫作品については昔「虚無への供物」を読んだんだけど、当時の自分には負荷が重かったような覚えがあります。面白く読んだ記憶はあるのですが。もっと古典ミステリを読みこなしてから、いつか再読してみたい。

自分にとっては「胞子文学名作選」の方が好みでしたが、この「きのこ文学名作選」も良アンソロジーと思います。ただ、本書は3000部限定出版なので、そこがネックですね……