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「南から来た男(ホラー短編集)」感想

南から来た男 ホラー短編集2 (岩波少年文庫)

南から来た男 ホラー短編集2 (岩波少年文庫)

  • 「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」エドガー・アラン・ポー(翻案・金原瑞人)
  • 「南から来た男」ロアルド・ダール
  • 「家具つきの部屋」オー・ヘンリー
  • 「マジックショップ」H・G・ウェルズ
  • 「不思議な話」ウォルター・デ・ラ・メア
  • 「まぼろしの少年」アルジャーノン・ブラックウッド
  • 「エミリーにバラを一輪」フォークナー
  • 「悪魔の恋人」エリザベス・ボウエン
  • 「湖」ブラッドベリ
  • 「小瓶の悪魔」スティーヴンソン
  • 「隣の男の子」エレン・エマーソン・ホワイト

岩波少年文庫で「中学生以上」と記されているヤングアダルト向けのアンソロジー。編者の金原瑞人さん自身による新訳。

ダールの「南から来た男」。ライターの10回連続着火で左手の小指を賭けるという冗談みたいな話が、だんだんと現実味を帯びてきて、いったいどうなるかと思ったら……。最後のオチが見事に決まっています。本書は児童向けだけど、今の子供はZippoみたいなフタつきのライターは知らないかもね。

ウェルズ「マジックショップ」は、現実だかファンタジーだか分からない入り交じった雰囲気がすてきな作。こういう話、大好きです。

デ・ラ・メアの「不思議な話」は、贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き (光文社文庫)で既読。タイトル通り、特にオチが付くわけでもなく、ただただ不思議な話。

ブラックウッド「まぼろしの少年」。少年の妙な態度が、読み終わった後に効いてくる。主人公の望みがそうさせたんですね。

「エミリーにバラを一輪」は、ノーベル賞のフォークナー。その肩書きを読む前に見て、私の文学アレルギーが発症しそうでしたが、読んでみたら一番印象に残った作品でした。なんか切なくてね。

「悪魔の恋人」はスリリングな作品。ほとんど主人公の心理描写だけなのに。

ブラッドベリの「湖」も印象に残る作品。これも切ないんだよなあ。「水」が時間を止めている。「水」が出てくる幻想的な話は大好きです。「水」をテーマにしたアンソロジーってないかなあ。

「小瓶の悪魔」は既読。

「隣の男の子」も面白かった。1991年の作品。いかにもアメリカドラマって感じのセリフ回しとストーリー展開。金原瑞人さんの訳がぴったりはまってます。