「ハサミ男」感想

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ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

約15年ぶりの再読。

メイントリックを覚えていたものの(初読時には見事に騙された)、さらに一つ上を行く結末なので(こっちは覚えていなかった)、面白く読めました。

サイコ・サスペンスの様相を呈しつつ、伏線が散りばめられ、きちんと収束します。どこで得たイメージなのか、もっとメタ的な作品だとの思い込みがあったのですが、見事な本格ミステリでした。

文庫版解説で触れられているとおり、「ユリイカ 1999年12月号 特集ミステリ・ルネッサンス」のインタビューで著者が本書の創作意図を明かしています。手許にあったので読んでみたのですが、作品同様に面白い本格ミステリ論を聞けるので、一読の価値ありです。

【本格ミステリ・クロニクル 300】読了27作目 1999年作

「人狼城の恐怖」感想

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人狼城の恐怖〈第1部〉ドイツ編 (講談社文庫)

人狼城の恐怖〈第1部〉ドイツ編 (講談社文庫)

人狼城の恐怖〈第2部〉フランス編 (講談社文庫)

人狼城の恐怖〈第2部〉フランス編 (講談社文庫)

人狼城の恐怖〈第3部〉探偵編 (講談社文庫)

人狼城の恐怖〈第3部〉探偵編 (講談社文庫)

人狼城の恐怖〈第4部〉完結編 (講談社文庫)

人狼城の恐怖〈第4部〉完結編 (講談社文庫)


第一部)
著者作の初読み。四部作の大部で馴染めなかったらどうしようと不安だったものの、読んでみたら面白くて、これなら最後まで楽しめそうです。
舞台がドイツなためにカタカナ人名で、登場人物もそれなりに多いのですが、混乱することなく読めました。
凄惨かつ不可解な事件が相次ぎ、ラストも申し分ない「引き」で、長編を一冊読み切った満足感があります。もちろん何一つ事件は解決していないので、今後の展開に期待。

第二部)
第二部ではオカルト要素も絡んで、さらに怪奇幻想ミステリの趣向が強くなりました。
入城後は一人称(手記形式)なこともあり、不安定さや緊迫感が増して長さを感じさせない。
いったい、この先どうなるんだろうか? 現実的に解決されると一気に興ざめするということもあり得るから、ミステリって難しい。第三部も楽しみです!

第三部)
蘭子登場。シリーズ初読なので初遭遇。過去の事件の話題も出てくるので、順番に読んでいればより楽しめたかも。
事件が整理されながらの推理合戦で、記憶力が衰えている私のような読者に優しい(参照頁付)。ここまで飽きずに読めました。
いろんな推理小説からの引用もあって、もっと多くのミステリを読みたくなる。
次はいよいよ完結編!

第四部)
幻想怪奇と本格ミステリが融合した傑作。
これだけ大きく展開した事件を、本格ミステリの手法でシンプルに収束させたのがお見事。かつ、幻想怪奇の部分も事件と密接に関係し、さらにエピローグでの展開があって申し分ない。
なお、蘭子のキャラクター設定や大仰なセリフ回しについては、「本格ミステリ・ベスト10 99年版」の解説(第1位)が参考になりました(読者と一定の距離をとるためという主旨)。
これを機に、蘭子シリーズを最初から読んでみたいですね。また読みたい本が増えてしまいました!

全四部(解説を除いた小説本文最終頁の合算)で計2587頁(41字×18行)。現在の講談社文庫の字組(38字×16行)だと計3000頁ぐらいになりそうです(笑)

【本格ミステリ・クロニクル 300】読了26作目 1998年作

「本格ミステリ・ディケイド 300」感想

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本格ミステリ・ディケイド300

本格ミステリ・ディケイド300

「本格ミステリ・クロニクル 300」の続編。

2001年から2010年までの本格ミステリを、刊行順に各年30作程度・全300冊が丁寧に紹介されています。

ライトノベルも紹介されていますし、コラムではコミックや映像媒体にも言及。評論やエッセイもあって、歴史を追うのに便利です。

この期間はほとんど読書していないので、「クロニクル300」と続けて参考にしながら、順次読んでいこうと思います。

「龍宮」感想

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龍宮 (文春文庫)

龍宮 (文春文庫)

日常と幻想が交叉する話は好きなはずなのに、純文学を読み慣れていないせいか、どうもしっくりと来ず。

でも、何とも言えない日常から浮遊した感覚は好きなので、もっと読書をこなしたら、他の作品も読んでみようかなと思います。

【金原瑞人 ふしぎ文学マスターが薦める100冊 https://goo.gl/6TMs7H 】読了29作目

「人間失格・桜桃」感想

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人間失格 (角川文庫)

人間失格 (角川文庫)

「ビブリア~」を読んだら「文学少女シリーズ」を読みたくなって、先にモチーフとなっている作品を読んでおこうと、今更ながらこの有名作を初読み。国語嫌いだったので、いわゆる「文学」は全然読んでいないのです。

共感できるところもあれば、共感できないところも。でも、共感できるできないで小説を判断することは余りよくないのではないか――とは、最近思い始めているところ。

一人の人間の生き様として、面白い(←不適切な言葉かもしれないが)。

太宰作は短篇を何作か最近読んでいて、自分と相性がよさそう。

文学嫌いを克服するためにも、ちくま文庫「文豪怪談傑作選」あたりで「文学」に触れておきたいですね。

「ガラスの麒麟」感想

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ガラスの麒麟 (講談社文庫)

ガラスの麒麟 (講談社文庫)

冒頭の表題作が、白眉の一作。ミステリの技巧と心理描写が相まっています。

そこから連なる短編ミステリーとして、犯人像や解決のもやっとした部分については、「本格ミステリ・ベスト10」1998年版での書評(2位)が参考になりました。

もはや悪者を断定できなくなった97年頃の犯罪事件における「理不尽」な社会状況。当時は災害やテロなどもあったり、若者には「個性(アイデンティティ)」を強く求める風潮で、今とはまた違った独特な閉塞感があったのは、自分でも実感がありますね。

本書の感想とは別ですが、書評によって自分には見えなかったものが見えてくるなあ、と改めて思います。

著者作では「魔法飛行」や「ささら さや」も、また再読してみたいですね。

【本格ミステリ・クロニクル 300】読了25作目 1997年作

「ビブリア古書堂の事件手帖」感想

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ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)

シリーズ完結を機に最初から再読することに。

短編連作ミステリーの形式で、ほろ苦い話が多いながらも展開はスピーディーで読みやすい。

古書とストーリーが上手く絡まっていて、素晴らしい作品だと思います。

初読時より面白く読めたのは、自分の小説の読み方が変化してきているせいですね。登場人物に強いクセがあっても、以前よりすんなり受け入れられるようになっています(共感や感情移入ができなくても楽しく読める)。

「文学少女シリーズ」もまた読みたくなってきたなあ。